「模倣と創造」本の紹介・概要

創造性(creative)

模倣と創造

著者:佐宗 邦威

  • 自分らしく生きたい人
  • 創造を通じて、より人生を楽しみたい人
  • 困難な状況を打破する手段になる創造性(クリエイティブ)を身につけたい人

イメージは子ども。子どもの頃、自分の空想による豊かな世界を持っていて、それに没頭し表現して遊ぶ。誰かと比較することなく、自分で自分の世界を表現する創造という行為を無邪気に楽しんでいる。

私がこの本から学んだことは「創造性(クリエイティブ力)は生きる力になる」ということです。著者は本書で以下のように述べ、創造性の重要さを強調していました。

「創造性は希望をつくる力。答えのない困難に対してもポジティブな変化を生んでいける。」

「創造を通じて、私たちがより楽しい人生を送れる、自分らしく生きれるライフスキル。」

「創造は自分自身の人生の生き甲斐を自分でつくる行為。」

本書でも述べられていましたが、創造は一部の限られた人にしかできない行為だと考える人が多いのではないでしょうか。しかし、誰しも子どもの頃は創造という行為を無邪気に楽しんでいたものです。大人になると、その楽しみを忘れてしまう人が多いようです。

この本は、その忘れかけた創造の楽しみを思い起こさせてくれます。そして、創造は誰でも大なり小なり発揮できるものだという考えに基づいています。この本は創造にアクセスするためのコツを段階的かつ体系的にまとめており、とても有益な内容です。創造のトレーニング方法もあります。参考にしてみて下さい。

以下に、本書の重要な箇所をいくつか示します。

「模倣」→「想像」→「創造」のステップを踏むことで創造するスキルにアクセスできる。創造性の守破離のようなもの。

【模倣】

頭で考えすぎず、自分が「好きだなぁ」と思うものを身体で感じ、観察し、徹底的に模倣し、感性のセンサーを鍛える。感性のセンサーが反応するものと出会っていくことが重要。

【想像】

自分自身がつくりたい創造のテーマと出会う段階。自分だったらどうするか考え、世の中にあるものをちょっとずつ変えて、自分らしさを入れて、アレンジしていく。

【創造】

自分のテーマを具体化するため、自分の創造サイクルをどんどん回し、制作物に落とし込んでいく。インプット→ジャンプ→アウトプットを繰り返す。

手を動かして考える(手考)

考えるプロセスではパソコンやスマホなどのデジタルツールを使用するのではなく、ノートとペンを活用する。デザイナーやクリエイターがアイデアを考える時の基本は紙とペンを用意してスケッチしてどんどん紙に書き出す。「考えたものを描き出す」ではなく「描くことで考える」。身体性を上手く活かす。

全身を使って考える(複数同時刺激)

身体感覚、視覚、言語を同時に使う。手を動かして考えたり、足を動かしてあちらことらに出かけたりして身体を使う、いろいろな景色や写真などを視覚的な刺激を入れる、同僚などとおしゃべりをしながら言葉で考える。

発散と収束

突然変異を意識した思考法。アイデアをとにかくいっぱい出す発散、そのインプットをあちらこちらに飛ばすジャンプをしてたくさん散らかした上で、最後にまとめる収束というダイヤモンドの形の思考法になる(以下、本書の図を抜粋)。

Screenshot

また、創発を起こしやすくする上で片付けが有効。定期的に身の回りの片付けをして、多くの情報がインプットされている頭から、余計な情報を減らした時にひらめきが起こりやすくなる。

集中と弛緩

期限を設定し、集中的にリサーチし、全身を使って徹底的に考える時間を過ごす。しばらくそのことを考えるのをやめて、ぶらぶら気分転換したり、別のことをしてリラックス(弛緩)している時に偶然、脈絡のないアイデアをひらめきやすくなる。

もやもやをかかえる

新しいものは混沌(カオス)から生まれる。もやもやしている、しっくりこない時ほど、良い結果が得られやすい。クリアで構造化された整理された状態というのはカタチにハマり過ぎて、変化の可能性に乏しく、想定を超えた良いものは生まれにくいと考えられる。

何よりも「余白」をつくることが大切。余白時間をつくり、以下のことを感じていく。

  • 自分が感じている感情・感覚と対話
  • 自分の好きな世界にひたる
  • 自分のつくりたい世界を想像する。「自分のやりたいぁ」と思うことを感じとる。目をつむる、空を見上げると想像しやすくなる。
  • 自分の気持ちに素直であること。

自分のバイブルとなりました。おすすめです。

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