起業ー実際の現場に入り込む

イノベーション(innovation)

記事名

徳島の山あいの町、日本のシリコンバレーになるか 

1)起業家育成の高専が開校へ

2)移動スーパーとくし丸

BBC News

徳島の山あいの町、日本のシリコンバレーになるか 起業家育成の高専が開校へ - BBCニュース
日本で起業家育成のための新たな高等専門学校(高専)が来春、開校する。場所は、徳島の高齢化が進む山あいの町だ。なぜここなのか。大井真理子記者が背景を取材した。
徳島発の移動スーパー、ローテクの高齢者支え拡大 国がハイテク起業促すなか - BBCニュース
徳島発の移動販売ベンチャー企業「とくし丸」が、着実に業績を伸ばしている。客の多くは高齢者で、注文は口頭で受けるなど、ハイテクとは縁遠いようにも思えるが、デジタル革命の波はここにも押し寄せている。

前置き

 ベンチャー企業は新しい技術・ビジネスモデルを中核とした新規事業を立ち上げる企業である。社会問題を解決するイノベーションの担い手であり、雇用創出など経済に活力を与える存在である。

 日本は起業家などの人材、ベンチャーキャピタルなどの資金供給者など不足している根本的な問題だけでなく、首都圏にベンチャーやベンチャーキャピタルが多く、ゲーム・アプリ分野の会社が多く、地域や分野に偏りがある。

 ベンチャー先進国と比較して、起業する人材やサポート施策が少ない日本に置いて、面白い取り組みをしている記事があったので紹介する。

記事の内容まとめ

1)起業家育成の高専が開校へ

「徳島の山わいの町 神山町からシリコンバレーを生み出す」

 故郷の再生を願ったビジョンは神山町に夢と可能性を与えている。

 高齢化と過疎化が進む徳島県神山町に起業家育成の学校「神山まるごと高専(仮称)」が2023年4月に開校

【学習内容】

エンジニアリング、プログラミング、デザイン、マーケティング等のビジネススキル、資金調達

【発案者】

ITベンチャー企業SanSan 寺田親弘さん

【経緯】

・NPOグリーンバレーの理事長 大南信也さんが神山町で光ファイバーを古民家に張り巡らせ、ネット環境を充実させる。

・それを聞いた寺田さんが働く場所の実験がしたいとサテライトオフィス設置を打診。

・大南さんが「IT会社の本業が神山町でも成り立つことを証明してくれたら、それで良い」と快く設置を受け入れる。

・サテライトオフィスがSanSanの中心地となる。

・2016年頃、寺田さんがビジネスが届かない社会課題に自分なりに煮詰めた結果、教育・学校に行き着く。起業家などを教育の内側で教えるべきだと考える。神山町でやると面白いのではと思う。

・学校を始めるあたり各地で約250回ほどのスピーチを行い、ふるさと納税で20億円の寄付を集める。

【メンタリティーの変化】

 日本のエリートコースは大企業に就職することだった。しかし、今は優秀な人は起業する前提でやっている。

【最後に】

 故郷再生を願った大南さんのビジョンが寺田さんを通じて、夢と可能性をもたらしている。

2)移動スーパーとくし丸

 高齢者の買い物を支援する徳島発ベンチャー企業「とくし丸」についても書かれていた。ハイテク企業とは縁遠いローテクな移動スーパーである。

【背景と創業経緯】

 日本は高齢化が進む中、創業者の住友さんが80代の両親や近所の知り合いが毎日の買い物に苦労しているところを見て、とくし丸を創業。

【貢献】

 デジタル化に取り残され、ネットショッピングなどにアクセスできない3割のお年寄りが存在している。特に買い物が不便な地域で、お年寄りに食品等の商品を届け、お年寄りの命を繋ぐ存在となっている。

 食事のことが心配で高齢化施設に入るという問題もあるが、できるだけ住み慣れたところで生活できるようにとくし丸は貢献している。

年間売上高は200億円。

【とくし丸の今後】

 創業者の住友さんは「需要はあるのに、誰も解決策を提示していない。これから20,30年は市場は伸びる」とコメント。

 次の団塊世代を考慮し、アプリも開発中で、アナログとデジタル両方を活用する予定である。

【創業者の住友さんのアドバイス】

・頭の知識をいくら増やしても、現場は状況が違う。現場に行って、場数を踏む。

・痛い思い、失敗、苦しい思い人との摩擦も多く経験し、それが糧となる。

【最後に】

 政府はハイテク企業の起業と成長を促そうとしているが、全ての人がハイテク製品を使いこなせる訳ではない。現場との調和が必要であり、とくし丸はその一例を示している。

終わりに

 大企業と呼ばれるような成熟企業が多い日本もかつてはベンチャー企業から始まっている。しかし、日本にあった起業家精神は遠のき、長らく公務員や社員という枠組みで従順に働くことが良いとされてきた。しかし、これから日本も起業へシフトして行き、これまで培われた日本の文化・歴史、社会という土壌でどうなるか興味深い。

 起業家育成の教育やマインドを広めることも重要であるが、とくし丸の話にあるように現場の課題を知り、現場に入り込むことの重要性を改めて考えさせられた。

 また、何でもハイテク製品や新規技術を導入すれば良いと言う訳ではなく、現場の課題に適したモノやコトを導入することも重要である。

 今回とくし丸のことを聞いて、経営破綻していたホテルを復活させたネスタリゾート神戸の話を思い出した。山で囲まれたホテルで集客が困難な状態であったが、株式会社 刀の森岡毅さんが山はデメリットではなく、大自然というメリットであるという発想のもと、大自然アクティビティを軸として立ち上げて、復活させたという話である。詳しく知りたい人はYou tubeの林修先生の初耳学を見てほしい。

【大好評につき再配信!】この人の話を聞け!最強の戦略家!森岡毅

 現場で人々がどう考え、感じて、行動しているかをよく理解することがとくし丸やネスタリゾート神戸に共通する重要なことだと思われる。

 徹底に現場に入り込み、現場人々の声を拾い、解決へ導くことができるかカギになる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました